独特な表現を生み出すボウイング
自分のリールの演奏の録音を聞き返すと、どうもスイングが単調でつまらなく感じたため、改めて色々と他の人の演奏を聴いてみると、意外なところにアクセントが入っていたり、上手く抑揚をつけていて表現豊かな演奏をしているように感じました。
そこで思ったのが、スラーの使い方、弓を返すタイミングが一つポイントになるのではないかと。
例えばリールは基本タカタカタカタカと8つの音がありますが、私なんぞはタカ/タカ/タカ/タカと2音ずつだったり、タカタカ/タカタカと4音ずつなど偶数の数で音を捉える癖があります。
この/の部分で弓を返すと想定してもらうと良いです。
どんなメロディーでも大体いつも同じところで弓を返すから、同じように聞こえてしまう。
でも例えばメロディーによってはタカタ/カタ/カタカとか、タ/カタカ/タカ/タカという捉え方をしてもよい。
極端な例だと、タカタカタカタ/カとか。
この「タカタカタカタ」の部分は一弓で弾いて、最後の「カ」は弓を返して弾く。
当然、一弓で多くの音を弾くと一つ一つの音が弱くなりますし、一弓で一音だけ弾くときはより大きな音を出すことができます。
このボウイングを用いれば上の例などは最後の「カ」だけ強調されて、かなり独特な表現ができるわけですね。
(あくまで例なので実際にこんなボウイングを使うことはほぼないと思いますが)
リールも基本は2拍目と4拍目にアクセントが来るというのはそうなんですが、必ずしもそうではないような気がしますし、上手い人は同じアクセントでも強いアクセント、弱いアクセントを使い分けているように思います(遠い道のりだ…)
興味のある方はこちらの本をご参照くださいませ。
Bowing Styles in Irish Fiddle Playing: Volume 2
歴代の名だたるフィドラーさんのボウイング付き譜面が載っています。
https://comhaltas.ie/shop/detail/bowing_styles_v2/
私もちょっと見て弾いてみましたが、結構みなさん弾きにくいボウイングしてます(汗)
スラーを多く使われている方も多い印象です。
動画でしたらこちらを。