Above the clouds

アイリッシュフィドルとコンサティーナを弾いています。日々の気付きやイベントのことなどを書いていきます。

レパートリーをどう増やす?

最初の頃はレパートリーを増やそうと思ってセッション定番曲が載ってる曲集などを使って曲を覚えて、覚えたものをメモに書いたりしていました。

いつごろからかそういう覚え方はしなくなって、好きなミュージシャンがやっている音源から曲を覚えるようになりました。

それと同時に、よく参加しているセッションで出る曲や一緒に弾く仲間が出す曲から気に入ったものを覚えるようになりました。

そんな感じでちょっとずつレパートリーが増えてきた。

例えば富山で弾いてた曲のレパートリー、名古屋や京都で弾いてた曲のレパートリー、東京で弾く曲のレパートリーというのがあったり、Frankie GavinやDe dannanがやっている曲のレパートリー、Padraig O'KeefeやPat O'Connorがやっている曲のレパートリーがあったり、TさんやIさんと一緒に弾く曲のレパートリー、ケーリーバンドで弾く曲のレパートリーなんかがあったりする。

一つ一つをある程度の大きさを持った集合だと見ると、他と重なる部分もあるけれど、でもそれぞれ曲の違いや演奏スタイルの違いがあったりして重ならない部分も大きい。

これだけごちゃごちゃした中で、その時々で好きな曲の感じや弾き方が違ったりすることもあり、なかなか自分の方向性を決めるのが難しい。決めなくても良いのかもしれないけど何か芯となるものはあった方が良さそうだ。

しかしこんな風に様々な曲との出会いや人とのコミュニケーションの中でレパートリーが増えていくのはアイリッシュならではと言う感じ。今までやっていた他の音楽ではこんな風な曲の覚え方はまずないなと。

これだけたくさんの曲を覚え続けるというのもなかなか大変なこと。

何かその曲に対する思い入れがないと多分すぐ忘れちゃうと思います。好きな人と弾いた曲はなかなか忘れない。好きな人とたくさん弾くことが大事だな。

Concertina reel

Concertina reelというリール。

定番チューンでありながら、タイトルにもなっているコンサーティーナで弾くのが難しいというのがよく話題になります。

基本はDのキーですが、しかし無理に弾くよりも、2つキーを下げてCのキーで弾く方が断然弾き易いしそれでも良いんじゃないかとひそかに思ってます。

始めたてでDのキーで覚えたばかりの人が居たりしたら睨まれそうなので、一応周りの空気は読んだ方が良いかとは思いますが、笛で出しにくいFの音なども出てこないですし、これだけ有名な曲でシンプルな音遣いの曲であればセッションでCで弾いてもみんなも合わせてくれるような気がします。

もともとはCで弾かれていたと聞いたことがあるような気がするのですが、出展が見つからずちょっとはっきりと断言はできませんが…まあC/Gのコンサで弾くならCの方が自然ですよね。

●Kitty Hayesの音源(2:14から)

Clare County Library: Traditional Music Sessions from the Carroll Mackenzie Music Collection: Kitty Hayes & Peter Laban 2003 CM-WC215/216

 

この曲に限らずその楽器で弾き易いキーで弾く方がアレンジする余裕も出来るし、楽器の特性を生かしやすい気がします。例えばフィドルの場合は開放弦を使えるキーで弾くと、重音を使うことが出来てフィドルらしい感じが出ます(Fox hunterやMason's ApronをGでなくAで弾くとか)。

 

コンサティーナの場合はEmの曲をDmで弾くというのも弾き易くなることが多いです。

(Rolling in the BarrelやTap roomとか、真ん中のキーだけで弾ける)
セッションでそのキーで弾くかどうかは場合に応じてかとは思いますが、特に定番曲を弾くときにどのキーで弾くかはその楽器の弾き易さや好みによって柔軟に考えても良いのではないかと思っています。
 

あえて弾きにくいキーで弾くというのは練習にはなります。でもただ難しい曲を弾けるということにあまり価値は感じなくて、それよりは一見難しい曲でもそれをいかに簡単に弾くかを考えること、そうして出来た余裕で曲の表現やアレンジに力を割くことが大事だと思うし、そうして出来たものに魅力を感じるんじゃないかなと思います。

 

多聴と精聴

色んな人と演奏したりセッションに参加するということをやっていくためには、たくさんの曲を知っていたり色んなスタイルがあることを知っている方が良いので、色んなものをたくさん聴くことが大事なのは間違いないのだけど、一方で自分のキャパシティの問題があって、あまりたくさん聴きすぎると処理しきれない(特に短時間の間に全然毛色の違うものをたくさん聴いた場合)ということもあると思うのです。

特に聞いたものを真似て自分の演奏に生かしてみようと考えると、練習のためにもっとたくさん時間が必要なので、それをしている間は同じミュージシャンや似たスタイルのものを何度も繰り返し聴くということも必要なのではないかと思います。

この二つのバランスを取るのが結構難しいんじゃないかなと…。

 

始めたばかりの人が何から聞いて分からないという問題もあると思うのですが、好きな奏者がいればまずはその人の音源から。好きな奏者は居ないけどとりあえずセッションに参加しようとする人はセッション音源だとかセッション曲集で覚えるということが手っ取り早いですが、その際はなるべく同じセッションの音源(いつも決まったホストがいる)や同じ奏者の曲集で覚えることが大事じゃないでしょうか。

 

私もアイリッシュにはまったせいで(?)他の音楽を聴く機会が減ってしまったのですが、それはそもそもアイリッシュといっても種類が多すぎ、中身が濃すぎて処理しきれてないから、というのがあるんじゃないかなあ。なかなか他の音楽やる余裕がないよ。