Above the clouds

アイリッシュフィドルとコンサティーナを弾いています。日々の気付きやイベントのことなどを書いていきます。

アイルランド4日目<エニス>

4日目は朝からバスでドゥーリンからエニスまで移動。

着いてからはエニス中心部にあるホステルまで1kmほど歩いて移動。

まだ昼前だったこともあり、人はまばら。

ホステルに荷物をあずけたら、適当にぶらぶらする。

アイルランド音楽をやっている人の中では有名な音楽ショップ「カスティーズ」に寄って店員さんのおすすめのCDを教えてもらったり、隣のカフェでケーキとコーヒーを頼んでまったりしたりする。

街中ではドラッグストアとか雑貨屋さんとか全然音楽に関係ないお店の外のショーウィンドウにもフィドルやボタンアコーディオンなどの楽器が飾ってあったりして、まさに伝統音楽の聖地なんだなぁということを感じる。

お昼になり多少人は増えてきたが、フラーキョールのメインのコンペティションは1週間後なのでまだそこまで混雑していない。

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早速セッションがないかなぁとあちこちパブを探してみると、色んなパブの前に張り紙で○日の何時から誰々のセッションがありますよ、ということが書いてある。

ほとんどが夕方以降のセッションだったが、エニス修道院の近くにあるCruises Barでは本日14時からセッションありますよと書いてあり、まずはそれに行ってみることにした。

14時ちょうどに行ったら、ホストらしい綺麗なお姉さんお二人が今まさにセッションが始めるというところで他にはまだ人はおらず、フィドルを持っていた私は「やあ、あなたも演奏するの?」などと声をかけられて早速参加することになってしまった。

エニス初のセッションだ。緊張する。

普通ならセッションの様子をみて参加するか、見ることに徹するか決めたりするのだろうが、もうコーヒー頼んじゃったし、お姉さんたちと同じテーブルに座って楽器準備しちゃったし…今更抜け出せんよ…。

セッションが始まる。

幸い最初の1曲目のホーンパイプは知っている曲だったので、なんとなく参加する。

徐々にわかってきたが、お姉さんたちコンサティーナフィドル)のお二人はかなりの凄腕だ(まぁホストを任せられているくらいだからそうでしょうけども)。

ついていけるのだろうかという不安がよぎる。

でもとても良いノリで一緒に弾くのはとても気持ちが良い。

そうするうちにホストの友人らしきパイパーが登場。

やはりパイプはとても存在感があり、いきなりセッションの音の存在感が増した感じがする。

それにつれてセッションをのぞきにお店に入ってくるお客さんも増えてきて、他にもミュージシャンがポツポツ参加しだして、気づいたら10人くらいになっていた。

私が弾けたのは3割くらいだと思うが、セッションの中心にいて、周りの音に包まれている感じはとても気持ち良かった。

 お姉さんたちも綺麗なだけじゃなくて、物腰の柔らかい優しい人たちだったので良いセッションになった(一緒に写真とってもらうんだったなぁ…)。

 

夕方になり、街をうろうろしていたら偶然、エニスに在住の赤嶺さんに出会った。

横には先日ドゥーリンで出会った慶応ケルトの部長さんもいる。

それにエニスに来ていた東京芸大ケルトサークルの方も加わり、一緒にパブにご飯に行った。

パブでは食べながらお互いに「アイルランド料理って下味っていうもんがついてないよね」と「食べごろっていう概念が無いのかねえ」などと愚痴愚痴文句を言い合った(笑)

そんなことを言い、食べ終わった赤嶺さんが一言

「でもおいしかったね」

全然説得力がないセリフだ。

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 夜になると街は更に活気を増す。

あちこちに点在するパブからは音楽が漏れてくる。そしてメインストリートのパブではどこもかしこも人がいっぱいだ。これは参加するのも一苦労。まぁいいセッションを見るだけでも良いんだけどね。

そんなことを考えながら色々なパブを覗き、セッションを立ち見してはまた別のパブへ行くというのを繰り返し、足は自然と人が閑散なエリアに向く。

賑やかな場所が苦手なもので。

そんななかでBrian Kelly'sというパブを見つけた。

中を覗いてみると、割とすいている。

ドリンクを注文して、セッションの近くでしばらく見ていることにした。

うん、まったりとした良い雰囲気のセッションだ。ミュージシャンの年齢層が高いこともあるが。

それにみんなそんなに上手いという感じではないが好きで楽しくやっていて良さそうなセッションだ。

そのうちに参加者のおばさんから「あなたも演奏しなよ」と誘われたので参加することにした。

適当に知っているリールのセットを演奏する。他に知っている人がいなかったようで、2曲目はソロになってしまった。

おまけに緊張であまりちゃんと弾けなかったのだが、弾き終わったあとにおっちゃんが「Lovely」って言ってくれたり、周りから暖かい拍手を貰えたりしてほっこりしました。

途中でわかったのだが、参加者が6人ほどいてそのうち3人はスコットランドから旅行で来た人だった。

そのためスコットランドの曲が3曲に1曲くらいの割合で出てくる。

主に演奏するのはフィドルとパイプ(および笛)とギターの3人だ。シンプルな構成も聴きやすくて良い。

アイリッシュを楽しみにきたのだが、スコティッシュも聞くことができて少しお得な気分だった。

途中、大きな体をしたおばさんが抜群の美声で落語みたいなお話を始めたりして、お客さんにも大ウケだった。うーん、、内容がわからないのが残念だ。

セッションは参加者が少ないこともあり、他の方ともお近づきになれた。

また明日も顔を出してみようかなと思い、その日は深夜1時ころに宿に帰宅。

アイルランド3日目<ドゥーリン>

3日目はモハーの断崖へ。

ドゥーリンの村から歩いていけるっていうから歩いて行ったのだが、遠い遠い…。

片道8キロ、往復16キロを海沿いの細道です。

確かに歩いている人はぽつぽつといるけど、普通はバスじゃないかなぁ。

 

広大な土地、長く続く崖。こんな感じ。

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家族に写真見せたら「東尋坊やん(福井の名所)」って言われた。

規模はこちらが大きいけど、確かに似てはいる。

塔の近くでは一人でアコーディオンでエアー弾いてるおっちゃんがいて、そういうところに旅情を感じました。

意外に日本人もぽつぽつと見かけました。よくこんな西の果てまで来るよね←

 

帰りは無心で8キロの道を歩いて帰り、やっとやっとでドゥーリンの村に帰り着きました。

夕方から夜にかけてはまたガスオコナーズパブでまったりセッションを聴きながらギネスシチューを食べました。

具だくさん。これは結構おいしかったです。

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アイルランド2日目<ドゥーリン>

2日目はダブリンからバスエーランでまずはゴールウェイまで。

ゴールウェイは昼食を食べただけで、そのままドゥーリンへ向かう。

ドゥーリンは東京でアイルランド音楽のワークショップを受けたときに、参加者の方から「そこのセッションは良いよ!」という言葉を聞いてから気になっていたところ。

個人的にも旅行するなら都会よりも田舎が良いということで、ドゥーリンで2泊することにしていた。

ゴールウェイからドゥーリンはこれまでの快適だった公道に比べて、狭いガタガタ道がぐねぐねと続く。

右手には海が見え、左手には広大な緑地に牛や馬が放牧されているといった感じでとても気持ちの良い光景だが、何しろバスがこの悪路を高速で走り、対向車がやってきては急にスピードを落とし、また急発進を繰り返すというまるでジェットコースターで、私は気分が悪くなり、景色を楽しむどころではなかった…。

もしこのブログを見ておられてドゥーリンに行くことを検討しておられる方がいたら、エニス経由でドゥーリンまで行くことを強くお勧めする。

1時間30近くかかってようやくドゥーリンの村に到着。

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宿はドゥーリンホステル。小奇麗な感じのホステルで安心した。

向かいには雑貨屋さんやレストラン、パブが連なる通りが100mほど続く。

ドゥーリンには3つほどライブ・セッションがあるパブがあると聞いていて、ここにあるGus O'Connor's pubに行くことを特に楽しみにしていた。

夕方すぎに入ってみると観光客もかなりいて混んでいた。

セッションも夏の間は早い時間から始まるようで、すでにお店の中央で演奏しているミュージシャンたちがいた。

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セッションというよりはライブといった雰囲気。

そしてみんな上手い。おそらくお店が呼んでいるミュージシャンだと思う。

ここは無理して参加せず見ることに徹することにした。

 途中、セッションではあまり聞かないんじゃないかと思われるStar of county downが演奏され、お客さん大勢でみんな一緒に歌ってた。

そのときの雰囲気は一体感があって凄かったな。

この後の旅行でもパブのセッションでお客さんも一緒になって歌を歌うという場面を幾つも見て、やっぱりこれは彼らにとって身近な音楽なんだなぁというのを再確認しました。

 

そうそう、そうやってじっとセッションを立ち見してたら、同じようにじっとセッションを見ている東洋人が近くにいて、メガネをかけてスっとしている感じが韓国人っぽいなと思っていたのですが、向うから「日本の方ですか?」と話しかけられて驚きました。

聞いてみると、東京の慶応大学ケルトサークルの方でした。

お互い初めてのアイルランドということで食の話やおすすめスポットの話などして盛り上がりました。

モハーの断崖良かったよ!とかギネスシチューおいしかった!という話を聞き、今のところアイルランドに来てからはおいしいと思う料理には出会えてないけど、ギネスシチューならおいしそうだし、明日食べてみようと思いました。

明日はモハーの断崖に行って、村にもう一つある音楽パブに行ってみようかなと思います。