バリエーション…ってのはアイルランド音楽で特に難しい要素の一つだなと思います。
こればかりは一朝一夕に身に付くものではなく、長くこの音楽をやってきた人と差を感じる部分です。
バリエーションを考える上で一番勉強になるのは、同じ曲を別の人がやっている演奏や録音でも聴いてみて参考にするということでしょう。
ジャズなんかも同じ曲でも色々な人のアドリブの演奏を聴いて、気に入ったフレーズを覚えるというようなところからアレンジを考えることもあります。
もう一つはそのフレーズのコード感を把握して、コードの構成音の別の音を使ってみるというやり方。
これは結構慣れが必要じゃないでしょうか。たくさん曲を知っていてこの雰囲気ならこのコードが合うかな?という推測も必要だし、セッションという場であればリズム楽器が何のコードを使っているか、他のメロディー楽器の人がどういう音を出しているかを把握する耳の良さも必要です。いつも同じフレーズが同じコードではありません。慣れない曲、速いテンポで演奏されている場面では難しいです。
フィドルの場合、重音のアレンジは割とやり易いものかなと思います。
あ、やり易いといっても弾き易いということとは別ですが。
もともとのメロディーに音を足すアレンジです。それよりも音を変えるアレンジの方が難しいです。
あとはメロディ―自体は同じなのだけど、ロールを使うとかスライドで目的の音に向かうとかカットを使うとかいわゆる装飾音を使うというアレンジ。
これも上で書いたアレンジ方法に比べればまだ取り組みやすい(簡単ということではない)ですし、セッションで他の楽器の音と混じっても邪魔になりにくいので、多くの人が使っているやり方じゃないかなと思います。
それからセッションなどに参加して、曲出しした人の演奏に合わせていくということ。
これも結構取り組みやすいです。どんなアレンジ、リズムで弾いているのか。きっと自分とは違う演奏なはずです、そういうものと合わせていくというのも新しいバリエーションを考えるきっかけになるのではないでしょうか。
…奥が深いですね。