Above the clouds

アイリッシュフィドルとコンサティーナを弾いています。日々の気付きやイベントのことなどを書いていきます。

楽譜で曲を覚えることについて

アイリッシュでは楽譜を見て曲を覚えるのは良くない、っていう風潮が日本では見受けられるのですが、アイルランドでも子供が譜面を見て曲を覚えている風景を見にしました。

また、現地のワークショップでもABC譜(五線譜が使わることがあるかどうかは知らない)を使って曲を覚えることもあると聞きました。

もともとは口承の音楽で、昔の人はみんな音を聴いて覚えていたんでしょうけど、今は必ずしもそうではないということです。

 

一方でセッションで楽譜を使うことは無しだと思います。

これはさすがにアイルランドでも無いのではないでしょうか…?

(曲を思い出すために演奏前に確認するのはあると思います)

例えば自分が譜面で覚えた曲がセッションで出たときに、まずは自分が覚えたバージョンで混ざろうとするわけですが、相手が出したチェーンが同じ曲といえところどころリズムや音が違うということはザラだと思います。

そこを相手の演奏に合わせて自分の演奏も若干変えていく、というのがセッションの中でのコミュニケーションの一つではないかなと思います。

あえて、自分は自分のバージョンで弾くのだ!というスタイルもあるとは思うのですが…それはそれで攻撃的?挑戦的な雰囲気で面白いかもしれませんが。

以前も書きましたが、楽譜をまる覚えすることによる弊害は、一音間違えたら止まってしまうとか、ちょっとバージョンの違う演奏にはまったく対応できないとか、そういうことじゃないかなと思います。

 

アレンジの効く演奏をするためには楽譜で覚える際も、楽譜と録音を併用するというのが良さそうです。

私も基本は録音で曲を覚えますが、全体的な流れを掴みたいときに楽譜も併用します。

そうすると覚えるスピードが違います。また曲を度忘れしたときも楽譜をチラっと見れば曲を思い出せたりするので、便利ですね。あ、これは五線譜の場合です。

曲を完全に覚えてから練習するという人もいますし、もしかしたら先輩方にはそうすべきだと怒られるかもしれませんが、私はざっくり音の流れを掴んだ時点で練習し始めます。

アイリッシュは他の曲と同じようなフレーズを使う曲が多いので、ここはあの曲のようなフレーズで…という風に考えていくとスムーズです。

そうやって練習する中で「あれここどうだったっけ?」とか、弾いてみて「ここはちょっと録音と違う気がするなあ」というのを把握した上で、また録音を聞き返す、「あ、ここはこういう音だったか」と再確認し、また練習する。

こんな感じで練習するのが効率的じゃないかなと思いますし、曲の覚えも良くなると思います。